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「定期チェック」から「届いたら動く」へ─ChatGPTの新しい自動化をEC問い合わせで試してみた

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はじめに

GDX株式会社でAIリサーチを担当しているMia Sato(佐藤ミア)です。

これまでChatGPTでは、「毎朝9時に情報をまとめる」「1時間ごとにメールを確認し、新しい内容があれば整理する」といった自動化ができました。

便利ではありますが、基本的には決めた時間になったらChatGPTが情報を確認しに行く仕組みです。

ところが、2026年8月25日のアップデートで、ChatGPT Workにイベントトリガー型タスクが追加されました。

Gmailに新しいメールが届く、Slackに新しい投稿がある、GitHubのPull Requestに動きがある。こうした「出来事」そのものをきっかけに、ChatGPTを動かせます。

つまり、

「1時間ごとに新着メールがないか確認する」から、「新着メールが届いたら動く」へ

変わったわけです。

今回は、この違いが実際の仕事でどのくらい便利なのか、ECの問い合わせ対応を例に試してみました。

ChatGPTの自動化も少しずつ変わってきた

GDXのnoteでは、以前からChatGPTの自動化について紹介してきました。

2025年に紹介したScheduled Tasksでは、「毎朝8時」「毎週金曜日」のように、決めた時間にChatGPTを動かせるようになりました。

その後、Workspace agentsでは、チームで使う仕事をAgentとして作り、必要なときに呼び出したり、決めた時間に繰り返し実行したりできるようになりました。

当時と今回で大きく違うのは、仕事が始まるきっかけです。

これまでは、人がAgentを呼ぶか、あらかじめ時間を決める必要がありました。

今回の機能では、「メールが届いた」という出来事自体をスタートにできます。

個人的には、この違いが思っていた以上に大きいと感じました。

Scheduled Tasks、Workspace agents、Event-triggered Tasksの違いを比較した表
Scheduled Tasks、Workspace agents、Event-triggered Tasksの違いを整理した表。

実際にはどう設定する?

今回のデモは、ChatGPT Workでイベントトリガー型のタスクを作成し、Gmailを接続して設定しました。

設定した内容は大きく3つです。

  • Trigger:Gmailに新しいメールが届いたとき
  • Condition:件名に「GDX_WEBHOOK_TEST」が含まれるメール
  • Prompt:問い合わせ内容を読み、優先度・お客様の要望・確認事項・次の対応・返信案を整理する

Promptではさらに、「社内向けの整理は日本語にする」「返信案はお客様が使用している言語で作成する」「未確認の返金やキャンセルを確定事項として書かない」といったルールも設定しました。

つまり、毎回メールをChatGPTへ貼り付けるのではなく、最初に「どんなメールが来たら、どう処理するか」を決めておくイメージです。

設定後は、条件に合うメールがGmailへ届くと、そのメールをきっかけにChatGPTが処理を開始します。

Gmailの新着メールをTriggerにした設定画面
Gmailの新着メールをTriggerにし、対象条件と問い合わせ分析のルールをPromptで設定。

ECの問い合わせを自動で整理してみた

この設定を使って、実際にいくつかの問い合わせメールを送ってみました。

最初に試したのは、二重請求の問い合わせです。

12,800円の商品を1点購入したのに、カード明細に同じ金額が2件表示されている

結果は、

High|支払い|二重請求の可能性

ChatGPTは、金銭的な影響がある問い合わせとしてHighと判断し、注文や決済記録など、担当者が確認すべき内容まで整理してくれました。

一方で、返金可否はAIだけで判断させず、担当者が確認するようにしています。そのため、返信案も「現在確認しております」という内容に留めています。

二重請求の問い合わせを送ったテスト結果
図1|二重請求の問い合わせを送ったテスト結果。金銭的影響があるため「High」と判定され、お客様の要望や確認事項まで自動で整理された。

海外からの問い合わせでも試してみた

次に、英語で「届いた商品が破損している。返品して、可能であれば返金したい」というメールを送りました。

ChatGPTは内容を「返品」と判断し、社内向けには「お客様の要望」「確認事項」「次の対応」を日本語で整理しました。

一方、お客様への返信案は英語で作成されました。

英語の問い合わせを送ったテスト結果
図2|英語の問い合わせを送ったテスト結果。社内向けのお客様の要望・確認事項・次の対応は日本語で整理され、お客様への返信案は英語で作成された。

グローバルECで考えると、

問い合わせが届く

→ 社内では日本語で内容を確認

→ お客様には元の言語で返信案を準備

という流れを一つのタスクにまとめられるのは、かなり使いやすそうです。

実際に試して感じたメリット

今回一番感じたのは、試し始めるまでのハードルが低いことでした。

今回のデモも、Gmailを接続して対象メールと判断ルールを設定するだけで試すことができました。

もう一つ、実際に試してみて面白いと感じたのは、イベントを起点に考えることで、普段なんとなく人が対応している業務の流れを、一度整理し直すことになる点です。

「何が起きたら始めるのか」「どこまでAIに任せるのか」を決めようとすると、普段は意識していない判断基準まで自然と言葉にする必要があります。

また、今回の機能はChatGPT内で利用できるため、今回のようなデモを作るために、自分でOpenAI APIキーを別途用意する必要はありませんでした。

企業ですでに対象のChatGPTプランを利用している場合、「問い合わせを自動で整理したい」「重要なものだけ先に判断してほしい」「返信案まで準備してほしい」といった小さな自動化なら、まずOpenAI APIを別途準備せずに試せるのもメリットだと思います。

では、MakeやZapierは不要になる?

ここは実際に試してみて、そうではないと感じました。

今回のような、

受信 → AIが読む → 判断する → 整理する → 返信案を作る

という流れなら、ChatGPTだけでもかなりシンプルに作れます。

一方で、「Highの問い合わせだけTeamsへ通知したい」「返品ならCSチーム、支払いならFinanceチームへ送りたい」「分析結果を自動でSheetsに残したい」といった細かい分け方になると、MakeやZapierの方が向いています。

今回、ChatGPTから届くTask Updateメールの表示も調整してみましたが、通知画面の見た目までは自由に変えられませんでした。

そのため私は、

AIに読ませて判断・整理するところはChatGPT

その結果を使って複数のツールを動かすならMake / Zapier

という使い分けが分かりやすいと感じています。

「何時に動かす?」ではなく「何が起きたら動かす?」

今回のアップデートを試して、特に印象に残ったのは、単に「AIが自動で動くようになった」だけではないという点です。

イベントを起点に考えると、まず「何が起きたら、この仕事を始めるのか」を決める必要があります。

さらに、その後にどんな判断が必要か、AIにどこまで任せるか、どの条件で人に渡すか、何をもって完了とするかまで考えることになります。

今回のEC問い合わせで整理すると、次のようになります。

Trigger:問い合わせメールが届く

Rule:内容から優先度を判断する

Action:要望・確認事項・次の対応・返信案を整理する

Exception:返金やキャンセルなど、確認が必要なケースは人が判断する

実際にデモを作ってみて、これはChatGPTの設定をしているというより、普段の業務を「Trigger → Rule → Action → Exception」の形で分解していることに気づきました。

たとえば「二重請求はHighとする」「返金可否は担当者が確認する」と決めるには、普段は人が自然に判断している基準を、あらためて言葉にする必要があります。

また、AI側では返信案の作成までを担当し、その後は担当者が確認・対応するなど、どこまでをAIの処理完了とするかも明確にする必要があります。

そう考えると、イベントトリガー型タスクは、設定を簡単にするだけでなく、これまで曖昧だった業務の流れや判断基準を明文化し、業務プロセスそのものを見直すきっかけにもなりそうです。

「何時にAIを動かす?」ではなく、

何が起きたら、どんなルールで、どこまでAIに任せる?

という視点で考えることが、これからの自動化ではより重要になると感じました。

企業ですでにChatGPTを使っているなら、まずは人が何度も確認している業務を一つ選び、「その仕事は何が起きたときに始まっているのか」を整理してみるところから始めてもよさそうです。

参考文献(出典)

※本文の一部はAIの支援を受けて作成し、筆者が加筆・修正しています。内容は筆者個人の見解であり、GDX株式会社の公式見解・声明を示すものではありません。情報は参考目的であり、最新情報については各社の公式発表・一次情報をご確認ください。